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【プレスリリース】JWSTが捉えた原始星を取り巻く氷の分子-高感度赤外線望遠鏡で複雑な有機分子を初観測-

理化学研究所(理研)開拓研究本部 坂井星・惑星形成研究室のヤン・ヤオルンさん、坂井 南美さんらの国際共同研究グループは、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)を用いた赤外線観測により、分子雲中で形成途中の太陽型原始星を取り巻く微小な氷の化学的特徴を明らかにしました。本研究成果は、星形成から惑星系形成に至る化学進化の解明につながると期待できます。

今回、国際共同研究グループはJWSTを用いて、おおかみ座にある太陽型原始星IRAS15398-3359を中間赤外線で観測し、原始星周りの塵に付着した氷の化学組成を調べました。従来よりも圧倒的に高い感度で得られた吸収スペクトルから、水や二酸化炭素、メタンなどの単純な分子のほかに、ホルムアルデヒドやメタノール、ギ酸などの有機分子が検出されました。また、エタノール、アセトアルデヒドといった複雑な有機分子についても、モデル構築による確認が必要ですが、氷に含まれている可能性があることが分かりました。これらの有機分子は、最終的には惑星系のもととなる原始惑星系円盤に取り込まれる可能性があります。

本研究は、科学雑誌『The Astrophysical Journal Letters』オンライン版(12月12日付)に掲載されました。詳細はこちらから。
https://www.riken.jp/press/2022/20221214_4/index.html

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